イヌイット語には氷を示す言葉が10数種類あるそうです。NHKの地球イチバンという番組でやっていたのですが。ソリが走っても平気な分厚い氷、人が乗ると割れる薄い氷、既に割れている氷など状態に応じて名前がつけられているそう。氷の上で生きている人々だからこその氷に対する感度というか、氷の景色を見る目の解像度が私たちよりも高いのだ。自然と向き合って生きている人達って凄い!と関心したのですが。そういえば、私たち日本にも同じ様なものがある。という事に気がつきました。ちょうどこの記事を書いている今もそうですが、「雨」です。小雨、大雨、霧雨、土砂降り、雷雨、にわか雨などなど。普段日常で使っているだけでもまだまだありますね。調べてみるともっとあります。状態や時期の微妙な変化にそれぞれ名前がついています。
名前をつけるという事はつまり、その微妙な変化を他者と共有して伝える必要がある、ということです。「そこの氷は薄いから気をつけろ。」「そろそろ大雨が長く続く季節になるから畑仕事が出来なくなる。」などをコンパクトに一言で共有しておく方が、数字よりも感覚的に、正確でわかり易く、速く伝える事ができます。危機管理がし易いという事かなと思います。名前が多いという事は、人がどれだけ長く真剣にそれと向き合って生きてきたか、という事なのだなと思います。
ところで今、いわゆる現代社会の中で、多くの名前がつけられているものってあるのでしょうか。インターネット使ってすぐ画像が送れるから言葉が必要無くなってきている。とか、世の中の危険の数も少ないし、平均的で平穏な生活になっているから環境を呼び分ける必要が無くなっている。などの意見もあると思いますが。それは置いといて。今、微妙な変化に一つ一つ名前を付けて、識別すべき事柄ってなんでしょうか。すぐには思いつかないので、宿題にします。
